【調査】ベトナムオフショアにおけるコロナの影響を調査
ベトナムのオフショア開発への影響などについて、ベトナムオフショア企業に対して調査を行いました。
概要
ベトナムオフショア企業8社にコロナに関する以下の質問をしました。
①コロナ影響が御社のビジネスにどのような影響を与えていますか?
②⽇本だけでなく、海外の取引先ともビジネスがあるかと思いますが、⽇本と海外とでコロナの影響による変化に違いがありますか?
③コロナの影響で在宅勤務に取り組んでいますか?
④在宅勤務をされている場合は、⽣産性、品質を落とさないために、どのような⼯夫をしていますか?
⑤在宅勤務をされている場合は、セキュリティ⾯で気をつけていることはありますか?
⑥⽇本の企業に対して何かメッセージがありますか?
回答企業
ePlatform Solution Corporation
Orient Software Development Corp.
CyberLogitec Vietnam
IFI Solution
ITLeadPro Ltd.Co
United Technologies Corporation
Prime-Labo. co., ltd
GMO-Z.com RUNSYSTEM JSC.,
結果
①コロナ影響が御社のビジネスにどのような影響を与えていますか?
回答企業8社の全てが影響を受けていることがわかりました。具体的には、以下のような影響があります。
・既存プロジェクトに対する売上の縮小
・営業活動の縮小、及び、プロジェクト着手の遅れ
・テレワークによる生産性の低下
各企業のクライアントの規模や業種等に依存しますが、企業によっては、売上が40%以上減少している企業があります。ベトナムのオフショア開発企業は、日本以外の企業から案件を受託している企業が多くあります。売上に対する影響は、欧米向けの案件を多く受託している企業に影響が大きいようです。
営業活動の縮小に関しては、例えばマッチングイベントの中止による影響があります。オフショア開発は海外(リモート)で開発を行いますが、予算が大きいプロジェクトを中心に、プロジェクトの立ち上げや契約時は、直接会って人や企業を確認した上でプロジェクトを進めます。そのため、渡航の規制が売上に大きく影響しています。また、コロナによる先行きが不透明な中で、新規投資を抑える傾向が要因だと考えられます。
また、テレワークを実施することで10%〜20%程度生産性が低下しているという企業がありました。
②⽇本だけでなく、海外の取引先ともビジネスがあるかと思いますが、⽇本と海外とでコロナの影響による変化に違いがありますか?
回答企業の内、6社が日本と日本以外の国から案件を受託しています。(1社は日本の案件だけを受託、他1社は日本以外の案件だけを受託)
日本と日本以外の取引と比較すると、以下のような傾向の違いを感じる企業がありました。
・日本の顧客は、他国と比較すると変化が緩やかである。
・日本の案件は、発注の合意をすることが他国以上に困難。
オフショア開発企業の中には「日本の顧客は優しい」と言う方がいます。欧米諸国は経営や経済状況の悪化に対して迅速にコストカットを実行しますが、日本の企業は契約をできるだけ維持しようとする点に違いがあると考えられます。一方で、日本の企業は発注の合意までに慎重になる傾向があり、コロナによる影響の先行きが見えない中、発注の合意がしづらい傾向があるようです。
続く